脳卒中のリハビリ

脳卒中とは、脳の血管に障害が起きて脳細胞が死んでしまった状態のことで、血管が破れる脳出血(脳内出血、くも膜下出血)と血管が詰まる脳梗塞の二つに分けられます。脳卒中の症状は、手足を動かせない麻痺、手足の筋肉が突っ張って変形した痙縮、話せない聞きとれない失語、見ているものが分からない失認などの症状があります。

 

ブルンストロームステージ(脳卒中の運動麻痺の分類)
stage Ⅰ 弛緩性麻痺(完全麻痺) 筋肉が緩んで、自分では動かせない
stage Ⅱ 連合反応の出現 体の一部を動かすと、他の部位まで動く
stage Ⅲ 共同運動パターンの出現 手や足の筋肉の緊張が強くなり(痙性)、共同運動パターン(手や足を曲げようとすると手や足の全体が曲がる屈曲パターンと、手や足を伸ばそうとすると手や足の全体が伸びる伸展パターン)がみられる
stage Ⅳ 分離運動の出現 共同運動パターンの中に、個々の筋肉を動かす動きが出てきた
Stage Ⅴ 分離運動の進行 痙性が弱くなり、分離運動ができる
Stage Ⅵ 分離が進み正常に近づく 痙性の影響がほとんどなくなり、共同運動パターンはみられず、個々の関節を自由に動かせる

脳卒中のリハビリの目的は、1.関節の動きと筋力を維持しつつ、2.痙縮を抑えて正常な運動を促し、3.日常生活や家事動作を自立させることです。

  1. 関節可動域訓練・筋力増強訓練
    1. 他動運動:セラピストが関節を他動的に動かします。
    2. 自動介助運動:自力で動かそうとするときに、セラピストが介助して動かします。
    3. 自動運動:自力で動かします。
    4. 抵抗運動:セラピストの力や機械を使って、負荷を加えて動かします。
  2. 協調性訓練(運動コントロール)
    1. 筋再教育:麻痺した手や足を自力で動かすことを促します。
    2. バランス訓練:麻痺した足に体重をかけることを促します。
    3. 促通法:正しいパターンで行なえる簡単な動作を繰り返し、習熟するに従い複雑な動作に進めていきます。
    4. 歩行訓練:平行棒内で正しいパターンでゆっくり歩くことから始め、次第に杖歩行や杖無し歩行に進めていきます。
  3. 作業療法
    1. 機能的作業療法:関節可動域訓練・筋力増強訓練・協調性訓練
    2. 日常生活動作(ADL)訓練:食事・整容・更衣・排尿・排便・入浴・歩行・車椅子、移乗などの動作訓練
    3. 家事動作訓練:調理、洗濯、掃除、買物などの動作訓練
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2024/4/19
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